200のハディース |
(付・預言者伝)
大木博文訳注
慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において
目次
第一部 預言者"`
第二部 200のハディース
第二章 称賛に値する人格、性質について
第三章 家族と親類について
第四章 隣人の権利について
第五章 生物に対する思いやりについて
第六章 労働について
第七章 責任と統治について
第八章 裁決について
第九章 商売について
第十章 欲望について
第十一章 終末の時の徴と試練について
第十二章 審判の日と楽園の民、業火の民について
第十三章 きまざまなハディース
第十四章 モーゼとイエスについて
第十五章 信仰について
西暦二十世紀も終わりに近づき、世界に十億を超える信
者を有し、仏教、キリスト教と並んで世界の三大宗教の一
つとして今なお目覚ましい発展を続けるイスラームは、日
本人の間に知られるようになって一世紀が経ち、また本格
的な学術研究の対象となってからも半世紀が経つというの
に、大半の日本人のイスラームに対する理解は、いまだに
偏見による曲解と、無知による誤解の壁に阻まれている。
本書は、イスラーム理解の鍵であると同時に、これら曲
解と誤解の結晶でもある預言者伝と、預言者の言行録に焦
点をあて、イスラームに対する知識のない読者にとっては、
預言者の生涯と教えの概要を知っていただくために、また、
イスラームに対してある程度の知識を有する読者にとって
は、長い年月をかけて塗り固められてきたこの曲解と誤解
の壁を乗り越えていただくために著されたものである。
限られた時間と能力のため、当初の試みを全うすること
はできなかったが、一人でも多くの読者が本書を踏み台に
して、イスラームに対する正しい認識を深めていただくこ
とができるのであれば幸いである。
一九九三年二月十一日
(二)日本語訳に際しては、アブダビ印刷出版社による第二版(一九八八年八月)を参照した。
(三)「200のハディース」は、アラビア語と英語で書かれているが、英語による部分は欧米のノン・ムスリム読
者を対象として書かれているため、アラビア語による部分
とは内容がかなり異なる。
(四)原書は、アラビア語による部分にはクルアーンの聖句、ノン・ムスリム読者への献辞、著者まえがき、序文、
預言者伝要約、聖都マッカの歴史的概観とカアバ神殿の建
立、200のハディース、参考文献が含まれ、英語による
部分にはノン・ムスリム読者への献辞、預言者達、クルア
ーンの聖句の意味の英語訳、著者まえがき、注意事項、預
言者伝要約、聖都マッカの歴史的概観、序文、200のハ
ディースの訳と訳注、参考文献が含まれている。ここでは
200のハディースのみを日本語に訳出した。
(五)原書においては、英語訳に際して大半のハディースに訳注をつけ、そのハディースの要点を中心に詳細な解説
を付しているが、日本語訳に際しては、本文を読んで充分
理解できる内容の訳注は訳出せず、日本人読者にとって必
要と思われる訳注を新たに付した。
(六)原書において、例えば「引用はムスリムの伝える表現による」との表記がしてあっても、実際にムスリムの
「サヒーフ集」に収録されている本文とは表現が異なって
いる場合が多い。日本語訳に際しては、全てのハディース
について、現著者が出典として記しているハディース集に
収録されているハディースの本文と「200のハディース」
に収録されている本文を照合し、さらに他のハディース集
にも同じハディースが収録されている場合には、それら全
てのハディース集を参照した上で訳文を決定した。従って
必ずしも「200のハディース」に収録されているハディ
ースの本文を忠実に直訳した訳ではない。
第一章 サダカと善行について
はじめに
マディーナ・イスラーム大学にて
大木博文
200のハディース訳出上の注意点
(一)ここでは、アブド・アッ=ラヒーム・アル=ファヒーム編著「200のハディース」に収録されたハディース
を日本語に訳出した。
| 日本ムスリム情報事務所 |