200のハディース


慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において




第十二章: 審判の日と楽園の民、業火の民について

143 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「審判の日、必ずやあな た方は、それを受けるべき者に諸々の権利を与えることに なります。角のない羊が角のある羊から受けたものすら返 されます。」

    (ムスリムによる伝承)

※注1−審判の日には全ての者に公正が行き渡り、あらゆ る善行とあらゆる悪行が清算される。
※注2−審判の日の公正は、人間だけに留まるのではなく、 あらゆるものに及ぶ。角のない羊が角のある羊によって 受けた危害すら厳密に清算される。
144 アブドッラー・イブン・マスウードによると、アッラーの御使いは言われた。「審判の日に人々の間で 最初に裁決されるものは、血についてのことです。」
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承。引用はムスリムの伝える表現による)

※注−血とは殺人のことである。
145 アブドッラー・イブン・アムルによると、アッラーの御使いは言われた。「契約の民を殺す者は楽 園の香りを嗅ぐことはありません。歩いて四十年かかる距 離からでも嗅ぐことのできるその香りを。」
    (アル=ブハーリーによる伝承)

※注−契約の民とは、ユダヤ教徒やキリスト教徒など、人 頭税を払うことによってイスラーム世界に留まったまま信 仰の自由を保障された人達のこと。
146 ウサーマによると、預言者は言われた。「私が楽園の入り口に立つと、そこ に入っていった者の大半が貧者たちで、金持ちは入り口の ところで引き留められていました。一方、業火の住民が地 獄に行くように命ぜられていました。私が業火の入り口の ところに立つと、そこに入っていった者の大半は女でした。 」
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承)

※注1−預言者ムハンマドがアッラーの啓示を受けてイス ラームを説くようになってから十年目、迫害が激しくな ったマッカでの布教が無意味であることを確信した預言 者は、マッカに隣接するターイフに布教の道を求めて赴 いたが、マッカでの迫害以上の迫害を受けてマッカに戻 った。この直後のある夜、アッラーは彼を一夜のうちに マッカからイェルサレムヘ、さらに天へと旅をさせたの である。「夜の旅」と「昇天」と呼ばれるこの奇跡の中 で、預言者はモーゼを始めとする諸預言者に会い、さら に楽園と業火を見学してその夜のうちにマッカに戻った。 このハディースはその時の様子を語ったものである。
※注2−地獄に行く者の大半が女性であるのは、大半の女 が自分の夫を正しく評価していないか、夫が自分にして くれたことを正しく評価していないためである。
147 ハーリサ・イブン・ワハブによると、私はアッラーの御使い様が、「楽園の住民についてあな た方に教えましょうか。他人に見くびられたすべての弱者 です。そうした者がアッラーにかけて誓えば、彼はその誓 いを守ってそれは叶えられるでしょう。業火の住民につい て教えましょうか。無知で無礼で微慢な者すべてです。」 と言われるのを聞いた。
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承。引用はムスリムの伝える表現による)

148 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「貧しいムスリムは金持 ちのムスリムよりも五百年先に楽園に入ります。」
    (アッ=ティルミズィーによる伝承)

149 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「剣で自らの命を絶つ者 は、その剣を手にもって自分の腹に突き刺したまま地獄の 火の中に永住することになります。毒を飲んで自らの命を 絶つ者は、地獄の火の中で永遠にそれを飲み続けることに なります。山から身を投じて命を絶つ者は、地獄の火に身 を投じて永遠にそこに永住することになります。」
    (ムスリムによる伝承)

150 アナスによると、アッラーの御使いは言われた。「夜の旅をした時、私は 火からできた欽で口を裂かれた男たちを見ました。『これ らの者たちは何者なのでしょうか。ガブリエルよ。」と尋 ねると、彼は、『これらの者たちはあなたの民の説教師た ちです。彼らは人々に善行を命じながら自分たちはそれを 忘れていたのです。』と言われました。」
    (アル=バガウィー「スンナ註解」による)

151 アブー・ザイド・ウサーマ・イブン・ザイド・イブン・ハーリサによると、 私はアッラーの御使い様が、「審判の日、男が連れて来 られ業火に落とされると、腹から臓物が飛び出します。彼 はそれを手に、ロバが挽き臼の回りを回るように辺りをぐ るぐると回るのです。業火の住民が彼のところに集まって 『おまえさん、なにがあったのですか。良識にかなった行 いを命じ、良識に反した行いを答めていなかったのですか。 』と尋ねると、彼は『いいえ、ただ良識に適った行いを命 じながらそれを自分では行わなかったのです。良識に反し た行いを答めておきながら、自分でそうしていなかったの です。』と答えるのです。」と言われるのを聞いた。
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承)

152 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「業火の住民には私がい まだ見たことのない二様の人物がいます。牛の尾のような 鞭をもって人を打つ者と、服を着てはいるものの裸同然で、 悪事に心が傾き、また他人を悪事に誘う女です。彼女らの 髪はブフドの曲がった瘤のようです。彼女らは楽園に入る ことも、楽園の香りを嗅ぐこともありません。楽園の香り はこれこれの距離からすらわかるのですが。」
    (ムスリムによる伝承)

※注1−鞭をもって人を打つ者とは、抑圧者のこと。
※注2−服を着てはいるものの裸同然とは、今日のいわゆ るファッショナブルな服を身につけ肢体を露わにした露 出狂の女性を指している。
※注3−ブフドとは、ホラーサーン産のペルシア駱駝のこ と。髪形についても現代の流行を予言している。

日本ムスリム情報事務所