200のハディース


慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において




第十五章: 信仰について

185 アブー・フライラによると、預言者は言われた。「審判の日に私の執り成しによって 最も幸福になれる者は、誠実な心と魂をもって『アッラー 以外に神はない。』と唱えた者です。」

    (アル=ブハーリーによる伝承)

※注−審判の日に他人を助けることのできる唯一の人物が 預言者ムハンマドである。
186 ウスマーンによると、アッラーの御使いは言われた。「アッラー以外に神はい ないことを知って死ぬ者は、楽園に入ります。」
    (ムスリムによる伝承)

187 ウマルによると、私はアッラーの御使い様が、「アッラーに真に信頼を寄 せるなら、彼は、鳥に食を与えられるように、あなた方に も食を与えて下さいます。鳥は朝には空腹を抱えて出掛け、 夕には満ち足りて戻ってくるのです。」と言われるのを聞 いた。
    (アッ=ティルミズィーによる伝承)

188 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「人々は互いに問い続け、 ついには『アッラーが被造物を創造されたというのであれ ば、誰がアッラーを創造したというのですか。』と言うよ うになります。そのような状況に直面した者は『私はアッ ラーを信じたのです。』と言いなさい。」
    (ムスリムによる伝承)

189 マスルークによると、私がアーイシャ様に「ムハンマド様は主をご覧になった のでしょうか。」と尋ねると、彼女は「スブハーナッラー、 あなたの問いに私の髪は逆立ってしまいました。」と言わ れた。
    (ムスリムによる伝承)

※注1−アーイシャは預言者ムハンマドの妻の一人。
※注2−スブハーナッラーとは「アッラーに栄光あれ」と いう意味の言葉であるが、驚憎の際にも発せられる。
※注3−このあとマスルークは話を続けたが、ダヴィデの 伝えるハディースの方がもっと長く完全である。
190 ダーウードがシャアビー、マスルークと溯って伝えたところによると、 私(マスルーク)がアーイシャ様のところで肘掛けにも たれていると、彼女が「アブー・アーイシャ(マスルーク の通り名)よ、人が一つでも口にすれば、その者がアッラ ーに対し最大の嘘を捏造したことになることが三つありま す。」と言われた。私が「それは何でしょうか。」と尋ね ると「『ムハンマド様が主をご覧になった。』と主張する 者はアッラーに対し最大の捏造をしたことになります。」 と言われました。彼(マスルーク)は言葉を続けた。私は 肘掛けにもたれていたのですが真っすぐに座り直して「信 者たちの母よ、少々お待ちください。急がないでください。 偉力並びなきアッラーは『彼(ムハンマド)は明るい地平 に彼を見た。』(包み隠す章二三節)、『彼は再度の降臨 に際しても彼を見た。』(星章一三節)と言われています が。」と尋ねると、彼女は「この民の中でそのことについ て最初にアッラーの御使いに尋ねたのは私です。彼は『彼 とはガブリエルのことです。私が彼が創造された本来の姿 を見たのはこの二回だけです。私は彼が天から降りて来る のを見ました。彼の大きな体は天と地の間を占めていまし た。』と言われました。」と答えられた。また彼女は「あ なたはアッラーが『視覚が彼を捕らえることはない一方で、 彼は視覚を捕らえられる。彼は親切で全てのことを熟知し ておられる。』(家畜章百三節)と言われるのを聞かなか ったのですか。またあなたはアッラーが『アッラーが人に 直接話しかけられることはない。啓示によるか、とばりの 陰からか、あるいは使徒を道わされて望まれることを啓示 し給う。実に彼は親切にして英明にあられる。』(相談章 五一節)と言われるのを聞かなかったのですか。」と言わ れました。また彼女は「『アッラーの御使いがアッラーの 書のある部分を人々に示されなかった。』と主張する者は、 アッラーに対し最大の嘘を捏造をしたことになります。ア ッラーは『使徒よ、主から伝えられたものを宣べ伝えなさ い。そうしなければ、彼からの使命を果たすことはできな いだろう』(食卓章六七節)と言われています。」と言わ れました。また彼女は「『明日起こることをムハンマド様 は告げられる。』と主張する者はアッラーに対し最大の嘘 を捏造をしたことになります。アッラーは『アッラー以外、 天地にあるものは幽玄界について何も知らない、と言いな さい。』(蟻章六五節)と言われています。」と言われた。
    (ムスリムによる伝承)

※注−信者たちの母とは、預言者ムハンマドの妻に対する 尊称。
191 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「アッラーは天地創造を 遂げられた際に誓いを立てられ、御許に保管されている書 に『我が恵みは我が怒りに勝る。』と記された。」
    (ムスリム、アル=ブハーリー、アン=ナサーイー、イブン・マージャによる伝承。引用はムスリムの伝える表現に よる)

192 ウマルによると、ある日私たちがアッラーの御使い様の許に座っていると、 純白の服を着た黒髪の男がやって来た。彼は旅をしている ようには見えず、かといって私たちのうちの誰一人として その者を知っている者がいなかった。やがて彼は預言者の 傍らに座って、自分の膝を彼の膝に突き合わせ、自分の両 掌を彼の双方のももに乗せて「ムハンヤド様、イスラーム について教えてください。」と言った。アッラーの御使い 様が「イスラームとは『アッラーの他に神はなく、ムハン マドはアッラーの使徒です。』と証言すること、礼拝をす ること、ザカートを支払うこと、ラマダーン月に断食する こと、事情が許す限リマッカのカアバ聖殿に巡礼すること です。」と答えると彼は「そのとおりです。」と言った。 私たちはその男が彼に尋ねておいて、「そのとおり。」と 答えたことに驚きました。またその男が「それでは信仰に ついて教えてください。」と言い、彼が、「アッラーとそ の天使たち、その諸啓典、その使徒たち、そして来世を信 じ、善し悪しに関係なく天命を信じることです。」と答え ると、その男は「そのとおりです。」と言った。またその 男が「それではイフサーンについて教えてください。」と 言うと、彼は、「アッラーを目の前に見るかのように仕え ることです。こちらでは見えなくともアッラーはこちらを 見ておられるのですから。」と答えられた。では「最後の 時について教えてください。」と言うと、彼は、「それに ついては間われた方も問うた者以上には知りません。」と 答えられた。「では、その徴について教えてください。」 と言うと、「女奴隷が女主人を生み、素足で裸の貧しい羊 飼いが競って高い建物を建てるのを見るようになります。」 と答えられた。その後男は立ち去り、私はしばらくじっと していた。それからアッラーの御使い様が、「ウマルよ、 物を尋ねた者が誰だったか分かりますか。」と尋ね、私が 「アッラーとその御使いがよくご存じです。」と答えると、 彼は言われた。「彼はガブリエルです。あなたがたにあな たがたの信仰を教えるために来たのです。」
    (ムスリムによる伝承)

※注−イフサーンとは「良くすること」という意味で、信 仰の最も完成された形態を指す。
193 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「もし信者がアッラーの 御許にある懲罰がどんなものか知るなら、誰も彼(アッラ ー)の楽園を望みはしないだろう。もし不信者がアッラー の御許にある慈悲がどんなものか知るなら、誰も彼の楽園 に絶望したりはしないだろう。」
    (ムスリムによる伝承)

194 アブー・アル=アッバース・アブドッラー・イブン・アッバースによると、 ある日私が預言者の後ろにいたとき、預言者は私に言わ れた。「少年よ、おまえにいくつかの言葉を教えてあげま しょう。アッラーのことを心に留めておきなさい。そうす ればアッラーはお前を守ってくださいます。アッラーのこ とを心に留めておきなさい。そうすれば目の前にアッラー を見いだします。尋ねることがあればアッラーに尋ねなさ い。助けを求めるときにはアッラーに助けを求めなさい。 『全ての民が力を合わせてお前に何か益することをしてや ろうとしても、アッラーがお前に対して既に決められたこ とを抜きにしては何もできない。』ということを心に留め ておきなさい。また『彼らが力を合わせてお前に何か危害 を加えようとしても、アッラーがお前に対して既に決めら れたことを抜きにしては何もできはしない。』ということ を心に留めておきなさい。筆は取り上げられ、頁はすでに 乾いているのです。」
    (アッ=ティルミズィーによる伝承)

※注1−アッ=ティルミズィー以外の伝承では次のように なっている。 「アッラーのことを心に留めておきなさい。そうすれ ば目の前に彼を見いだすことができる。安楽なときにア ッラーを心に留めておきなさい。そうすればアッラーは 苦難の時にお前を心に留めてくださる。 『アッラーがお 前に過ちを犯させるのは、お前に正しいことを望んでお られないからであり、お前に正しいことをさせるのは、 お前が過ちを犯すのを望んでおられないからである。』 ということを知っておきなさい。アッラーからの救いは 忍耐と共にあり、喜びは苦悩と共にあり、困難と共に安 楽があるのです。」
※注2−「筆は取り上げられ、頁は既に乾いている」とは、 全てのことは予めアッラーによって決められていて修正 することはできないという意味。人の運命は、アッラー の御許に最初から余すところなく記録されているのであ る。
195 アブー・ザッル・アル=ギファーリーによると、預言者は偉力並びなき彼の主から聞いた御言を伝えて言 われた。「『我が僕たちよ。我は自らに不正を禁じ、汝ら の間にもそれを禁じた。それゆえ互いに不正をしないよう にせよ。我が僕たちよ。汝らは皆道に迷っている、我が導 く者以外は。それゆえ我に導きを求めよ。そうすれば我は 汝らを導いてやろう。我が僕たちよ。汝らは皆飢えている、 我が食を与える者以外は。それゆえ我に食を求めよ。そう すれば食を与えよう。我が僕たちよ。汝らは皆裸のままで ある、我が服を着せる者以外は。それゆえ我に服を求めよ。 そうすれば服を着せてやろう。我が僕たちよ。汝らは皆夜 にも昼にも誤りを犯しているが、我は罪を全て赦す。それ ゆえ我に赦しを求めよ。そうすれば赦してやろう。我が僕 たちよ、汝らは我に危害を与えることなどできはしないの に、そうしようとしている。我の役に立つことなどできは しないのに、そうしようとしている。我が僕たちよ、汝ら の最初の者も最後の者も、人間もジンも汝らのうちでもっ とも敬虔な心を持つ者程に敬虔であったにしても、そのこ とによって我が王国に何かを加えることなどできはしない。 我が僕たちよ。汝らの最初の者も最後の者も、人間もジン も汝らのうちでもっとも邪悪な心を持つ者程に邪悪であっ たとしても、そのことによって我が王国の何かを減らすこ となどできはしない。我が僕たちよ。汝らの最初の者も最 後の者も、人間もジンも、ある高みに立って我に何かを求 め、我がそれぞれに求めるものを与えたとしても、海に針 が落ちてそれによって海の水が減る程にすら、我が許にあ る何かを減らすことはない。我が僕たちよ、汝らの行いは 我が逐一数え上げている。そして我はその行いに対して汝 らに報いるのである。よき報酬を得た者は偉力並びなきア ッラーを讃えよ。それ以外のものを得た者は己れ自身のみ を非難せよ。」
    (ムスリムによる伝承)

※注−アッラーは人間以外にも理性を持った存在として、 人間の目には見えないジンというものを創られた。一種 の妖霊である。
196 イブン・アッバースによると、預言者は偉力並びなき彼の主から聞いた御言を伝えて言 われた。「アッラーは善行と悪行を定められ、それを明示 された。善行を思いたったものの実行に移さなかった者に 対し、アッラーはその者の許に完全な善行一つと記録され る。善行を思いたってそれを実行に移した者に対し、アッ ラーはその者の許にまず十の善行と記録し、さらにそれを 七百倍またはそれ以上に評価される。悪行を思いたったも のの実行に移さなかった者に対し、アッラーは、その者の 許に完全な善行一つと記録される。悪行を思い立ってそれ を実行に移した者に対し、アッラーはその者の許に悪行一 つと記録される。」
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承。引用はアル=ブハーリーの伝える表現による)

197 アナスによると、私はアッラーの御使い様が、「至高なるアッラーは言わ れた。『アダムの子よ、我に祈り我に望みを持つのなら、 我は汝の今までの罪を赦してやろう。汝の罪を告めはしな い。アダムの子よ、汝の罪が空の雲に達する程であったと しても、我に赦しを求めるなら我は汝を赦してやろう。ア ダムの子よ、汝がこの大地程の罪を背負って我の許に来た としても、我にまみえて我に何ものをも配さないならば、 我は大地程の赦しを持って汝の許に赴こう。』」と言われ るのを聞いた。
    (アッ=ティルミズィーによる伝承)

198 アブー・サイード・アル=フドリーによると、アッラーの御使いは言われた。「棺が用意され、男たち がそれを肩に担ぐとき、(その死者が)敬虔なものであれ ば『私を先にやってくれ。早く連れて行ってくれ。』とい うでしょう。敬虔な者でなければ『棺に災いあれ。あなた 方は棺をどこへ持って行くというのだ。』と言うでしょう。 人間以外の全てのものがその声を聞きます。人がその声を 聞いたら失神してしまうでしょう。」
    (アル=ブハーリーによる伝承)

※注−人は死の直後に天使に会い、楽園に送られるか、業 火に送られるかを知る。敬虔な者は楽園行きを喜び、敬 虔でない者は業火行きを嘆くのである。
199 アブー・ザッルによると、アッラーの御使いは言われた。「私はあなた方が見てい ないものを見ています。天が喰り、それが日常化する。天 使が至高なるアッラーに額ずき、四本指が入る程の隙間す らありません。アッラーに誓って、私の知っていることを あなたがたが知れば、あなた方はわずかに笑い、多く泣く ことでしょう。臥所で妻と戯れることもなく、路上に出て 至高なるアッラーに熱心に祈りを捧げることでしょう。」
    (アッ=ティルミズィーによる伝承)

200 アブー・アル=アスカウ・ワースィラ・イブン・アル=アスカウによると、 アッラーの御使いは言われた。「ありもしない血縁を主 張すること、見てもいないことを目で見たと主張すること、 アッラーの御使いが言ってもいないことを彼に帰すること は、もっとも重大な虚偽のうちに入る。」
    (アル=ブハーリーによる伝承)

日本ムスリム情報事務所