200のハディース


慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において




第二章: 称賛に値する人格、性質について

18 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「アッラーはあなたがた の体を見ておられるのでも、容姿を見ておられるのでもあ りません。あなたがたの心と行いを見ておられるのです。」

    (ムスリムによる伝承)

19 イヤード・イブン・ヒマールによると、アッラーの御使いは言われた。「アッラーは私に『あな たがたが人を見下したり、人に不義を為さないよう謙虚で いなさい。』との啓示を下されました。」
    (ムスリムによる伝承)

20 アブドッラー・イブン・アムル・イブン・アル=アースによると、 アッラーの御使いは品のない言葉で語られることもなく、 品のない言葉を聞かれることもなかった。そして「あなた がたのうちで最も優れた者は、最も性格のよい者です。」 と言っておられた。
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承。引用はムスリムの伝える表現による)

21 アブー・ムーサーによると、アッラーの御使いは言われた。「あなたがたは誰でも、 三度許しを乞うて許しが得られないならば引き下がりなさ い。 」
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承)

※注1−他人の家を訪問した際に、三度戸を叩いても入る 許可を得られなかった場合、それ以上許可を強要しては ならない。
22 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「嫉妬を避けなさい。嫉 妬は善行を食べてしまいます。ちょうど火が薪を食べてし まうのと同じように。」
    (アブー・ダーウードによる伝承)

23 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「懐疑を避けなさい。懐 疑は最大の偽りです。詮索したり、諜報したり、値を吊り 上げたり、嫉妬し合ったり、憎しみ合ったり、仲違いをし てはいけません。あなたがたはアッラーの僕として兄弟の 如くに交わりなさい。」
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承)

※注―「仲違いをする」とは、ここでは陰口をたたくこと の意味で用いられている。
24 アナスによると、預言者は言われた。「物事を容易にしなさい。困難なも のにしてはいけません。福音を伝えなさい。憎しみを作り 出してはいけません。」
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承)

25 ムアーウィヤによると、私はアッラーの御使い様が、「人の秘め事を詮素して回 るなら、あなたはその人達をだめにしてしまうでしょう。」 と言われるのを聞いた。
    (アル=バイハキ「信仰集成」による)

26 アブー・アイューブ・アル=アンサーリーによると、アッラーの御使いは言われた。「人がその兄弟を避けて 三晩以上会わないでいたり、会ってもお互いに顔を背け合 ったりするのは正しいことではありません。二人のうちで より良い者は、先に挨拶をする者です。」
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承。引用はムスリムの伝える表現)

※注1−兄弟とは、イスラームの信仰をもつ信者同士を指 し、血縁による兄弟のみに限定されない。
27 イブン・アッバースによると、アッラーの御使いは、アシャッジュ・イブン・アブド・ アル=カイスに「あなたには、アッラーが好まれる二つの 性格があります。それは温和と寛容です。」と言われた。
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承。引用はアル=ブハーリーの伝える表現による)

28 アーイシャによると、アッラーの御使いは言われた。「アッラーはあらゆるこ とにおいて親切であることを好まれます。」
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承。引用はアル=プハーリーの伝える表現による)

29 アーイシャによると、預言者は言われた。「アッラーは思いやり深く、親切を 愛されます。彼は親切な行為に対しては、粗野な行為や親 切以外の行為に対しては与えられないものを与えて下さい ます。」
    (ムスリムによる伝承)

30 アーイシャによると、預言者は言われた。「親切は物事にあって必ずそれを装 飾します。物事から親切が取り除かれたら、その物事は必 ず傷物になってしまいます。」
    (ムスリムによる伝承)

31 アン=ナッワース・イブン・サムアーンによると、預言者は言われた。「敬虔とは立派な人格のことです。 罪とは、あなたの心のうちに巣食い「他人があなたの罪を 知っているのではないか。」とあなたをびくつかせるもの です。」
    (ムスリムによる伝承)

32 アブドッラー・イブン・アムル・イブン・アル=アースによると、 ある男がアッラーの御使いに「イスラームにおいて最善 のことはなんですか。」と尋ねると、「人を食事に歓待し、 顔見知りの者にも見知らぬ者にも挨拶することです。」と 答えられた。
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承)

※注1−イスラームの信者(ムスリムという)の間の挨拶 は、一方が「アッ=サラーム・アライクム」と声をかけ れば、他方が「ワ・アライクム・アッ=サラーム」と返 答する。これは「あなた方の上に平安がありますように。 」「あなた方の上にも平安がありますように。」という 意味。サラーム、ムスリム、イスラームは同一の語根か ら派生した語で、いずれも平和、平安を意味として含む。
33 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「サダカは財産を減らす ものではありません。アッラーは寛恕をもった僕に対し、 只々栄誉を増してくださいます。また、アッラーに対し謙 虚になる者には、偉力並びなきアッラーは只々その者の地 位を高め給います。」
    (ムスリムによる伝承)

34 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「乗り物に乗っている者 が歩いている者に挨拶し、歩いているものが座っている者 に、また少数の者が多数の者にまず挨拶するように。」
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承)

※注−アル=ブハーリーの伝承には「年下の者が年上の者 に挨拶するように。」とある。
35 アブー・ウマーマ・スダイユ・イブン・アジュラーン・アル=バーヒリーによると、 アッラーの御使いは言われた。「至高なるアッラーに最 も近い者とは、最初に挨拶をかける者です。」
    (アブー・ダーウードによる伝承)

※注−アッ=ティルミズィーがアブー・ウマーマに溯って 伝えている伝承では次のようになっている。 「アッラーの御使い様、二人の者が出会った場合、ど ちらが先に挨拶をかけるべきでしょうか。」と尋ねられ、 答えて言われた。「至高なるアッラーにより近い者が、 です。」
    (アッ=ティルミズィーによる伝承)

36 アーイシャによると、アッラーの御使いは言われた。「死んだ者を悪く言って はなりません。彼らは自分たちが為したことに到達してい るのですから。」
    (アル=ブハーリーによる伝承)

※注−死者はすでに生前に自分が為した行為についての清 算を受けているのである。
37 バフズ・イブン・ハキームが彼の祖父から父を経て伝え聞いたところによると、 アッラーの御使いは言われた。「人を笑わせようとして 虚偽の作り話をする者に災いあれ。そのような者に災いあ れ。そのような者に災いあれ。」
    (アフマドによる伝承)

38 アブー・フライラによると、アッラーの御使いが「破産者とは何者か知っていますか。 」と言われ、彼らが「破産者とは金品を何も持たない者の ことです。」と言うと、次のように言われた。「破産者と は、我が民のうちで、審判の日に礼拝と断食とザカートの 記録を携えて主の御前に立つものの、人を悪し様に言い、 中傷し、人の財を奪い、人の血を流し、人を打擲?した者の ことです。これら虐げられた者は皆、虐げた者の善行の得 点を受け取ります。そして彼ら全員に分配される前にその 者の善行の得点が尽きてしまった場合、今度は彼らの悪行 が彼ら自身の上に失点として加算され、その後業火に投げ 込まれるのです。」
    (ムスリムとアッ=ティルミズィーによる伝承)

※注−ザカートとは、全ての成人ムスリムに対して課せら れた、毎年定められた一定の率に基づく献金や献品のこ と。
39 アブー・アル=アッバース・サハル・イブン・サアド・アッ=サーイディーによると、 ある者が預言者の傍らを通り過ぎた時、預言者はご自身 の傍らに座っていた男に、「彼のことをどう思いますか。」 と尋ねられると、その者は「彼は上流階級の者です。アッ ラーに誓って、彼が求婚すれば必ず承諾されるでしょう。 また、彼が仲裁に入ればかれの仲裁は必ず受け入れられる でしょう。」と答えた。アッラーの御使い様はしばらく黙 っておられたが、別の者が傍らを通り過ぎると、彼に「彼 のことをどう思いますか。」と尋ねられた。その者が「ア ッラーの御使い様、この者は貧しいムスリムです。彼が求 婚しても彼の求婚は承諾されないでしょう。また、彼が仲 裁に入っても彼の仲裁は受け入れられないでしょう。」と 答えると、アッラーの御使いは言われた。「この者こそ、 地上にいる前者のような者すべてよりも優れているのです。 」
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承)

40 ジャリール・イプン・アプドッラーによると、アッラーの御使いは言われた。「人を慈しまない者に、 アッラーが慈悲を垂れ給うことはありません。」
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承)

41 ジャリール・イブン・アブドッラーによると、私はアッラーの御使い様が、「親切の欠けた者には、あ らゆる美点が欠けています。」と言われるのを聞きました。
    (ムスリムによる伝承)

42 アブドッラー・イブン・マスウードによると、アッラーの御使いは言われた。「地獄の火が禁じられて いる者について教えておきましょうか。業火は、人と親密 にし、慈しみ深く、素直で、柔和な人からは禁じられてい るのです。」
    (アッ=ティルミズィーによる伝承)

43 アブー・フライラによると、預言者は言われた。「病人を見舞ったり、アッラーの信 仰に結ばれた兄弟を訪問する者には、(天使が)『よくや りました。あなたの歩む道はよいものです。あなたは楽園 の館に住むことになるでしょう。』と呼びかけてくれます。 」
    (アッ=ティルミズィーによる伝承)

44 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「人は友の信仰に従うも のです。だから、あなたがたは誰でも友とする者を慎重に 選びなさい。」
    (アフマドによる伝承)

45 アブドッラー・イブン・マスウードによると、預言者は言われた。「心に芥子粒一粒ほどでも傲慢のあ る者は楽園には入りません。」ある者が「人は自分の服や 靴が立派であることを好みますが。」と言うと、「アッラ ーは美しき御方です。美を愛で給います。傲慢とは真理を 拒み、人を蔑むことをいうのです。」と答えられた。
    (ムスリムによる伝承)

46 イブン・アッバースによると、アッラーの御使いは言われた。「年少者に恵みをかけず、 年長者を敬わない者は、私たちの仲間ではありません。」
    (アッ=ティルミズィーによる伝承)

47 アブドッラー・イブン・アムル・イブン・アル=アースによると、 預言者は言われた。「ムスリムとは、他のムスリムが彼 の舌や手による危害から安全な状態にある者のことです。 またムハージルとは、アッラーが禁じ給うたことを避ける 者のことです。」
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承。引用はアル=ブハーリーの伝える表現による)

※注−ムハージルとは「捨てる」という意味の動詞ハジャ ラの派生語で、「移住する」という意味の動詞ハージャ ラの能動分詞形。マッカの不信仰者たちによる迫害を避 けて預言者ムハンマドと共にマディーナに移住したムス リムをムハージルという。
48 アブー・カターダ・アル=ハーリス・イブン・リブイーによると、 アッラーの御使いは言われた。「礼拝のために起立し、 長い礼拝をあげようと思ったところ、子供の泣き声を聞い たとします。そうしたら私は、その子の母親を困惑させる のを嫌って礼拝を短く切り上げるでしょう。」
    (アル=ブハーリーによる伝承)

49 イヤード・イブン・ヒマールによると、アッラーの御使いは言われた。「楽園の住民の中には、 全ての親戚とムスリムに対し、慈しみ深く親切な者がいま す。」
    (ムスリムによる伝承)

50 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「ムスリムはムスリムに 対し六つの特質をもっています。病気になったら見舞うこ と、人が亡くなったら葬儀に参列すること、招待に応じる こと、出会ったら挨拶すること、くしゃみをしたらアッラ ーの祝福を祈ること、その者がその場にいなくてもその者 に対して誠実であることです。」
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承。引用はアル=ブハーリーの伝える表現による)

51 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「あなたがたは信仰心を 持つまで楽園に入ることはありません。互いに愛し合うよ うになるまで信仰を持つようにはなりません。互いに愛し 合えるようになる行為について教えてあげましょうか。挨 拶を交わすことです。」
    (ムスリムによる伝承)

52 アブー・アワーナによると、アッラーの御使いは言われた。「座を立って、またその 座に戻ってくる者に、その座の権利があります。」
    (ムスリムによる伝承)

53 ウマルによると、預言者は言われた。「人を場から立たせ、自分がその場 に着くというような者はいません。場を広げ座れるように すべきです。」
    (ムスリムによる伝承)

54 アブドッラーによると、アッラーの御使いは言われた。「あなたがたが三人でい て、一人を差し置いて二人がひそひそ話をするなら、その ことはその一人を悲しませることになります。」
    (ムスリムの伝承)

55 アブー・アッ=ダルダーウによると、アッラーの御使いは言われた。「断食よりもサダカより も礼拝よりも一段上の行いについて、私はあなたがたに伝 えていませんか。」我々が「伺っておりません。」という と、彼は言われた。「仲間の間を正しく保つことです。仲 間内の怨恨は災いです。」
    (アブー・ダーウードによる伝承)

56 イブン・マスウードによると、アッラーの御使いは言われた。「あなたがたは真実を語 らなければなりません。真実は美徳に至り、美徳は楽園に 至ります。男が真実を語り続け、真実を求め続けていれば、 いずれアッラーの御許で誠実者として記録されます。虚偽 を避けなさい。偽りは不徳に至り、不徳は業火に至ります。 嘘を言い続け、嘘を求め続けていれば、いずれアッラーの 御許で嘘つき者として記録されます。」
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承。引用はムスリムの伝える表現による)

57 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「人を楽園に導く最大の ものは、敬神の念と良い性格です。」
    (アッ=ティルミズィーによる伝承)

58 アブー・カリーマ・イブン・マアディー・カリブによると、 預言者は言われた。「兄弟を愛するのならば、愛してい ると彼に言ってやりなさい。」
    (アブー・ダーウードとアッ=ティルミズィーによる伝承)

59 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「食事に招かれたら応じ なさい。断食をしているのであれば、(招いてくれた人の ために)祈ってあげなさい。食事が取れるのであれば招き に応じなさい。」
    (ムスリムによる伝承)

60 アブー・サイード・アル=フドリーによると、預言者は言われた。「路上に座すことを避けなさい。」 人々が「アッラーの御使い様、私たちにとって路上以外に 会話をする場所がない場合はどうしたらよいのですか。」 と尋ねると、「路上以外に場所がないというのであれば、 路上での規則を守りなさい。」と答えられた。また人々が 「アッラーの御使い様、路上での規則とは何でしょうか。」 と尋ねると、答えて言われた。「視線を落とし、障害物を 取り除き、挨拶をし、良識に適った行いをするよう命じ、 良識に反する行いをやめさせることです。」
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承)

61 アブドッラー・イブン・アムルによると、アッラーの御使いは言われた。「慈しみ深い者を慈悲あ まねき御方は慈しみ給います。地にある者を慈しみなさい。 そうすれば、天にいる御方があなたがたを慈しんでくださ います。」
    (ムスリムによる伝承)

62 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「偉力並びなきアッラー が審判の日に仰せられます。『我が栄光に従って互いに愛 し合った者はどこにいるか。今日、我は彼らを我が日陰に 誘おう。我が日陰以外に日陰のない今日、この日に。』」
    (アル=ブハーリーによる伝承)

63 ジャービルによると、父の残した借金のことで、私が預言者のところに来て戸 を叩くと、彼は「誰ですか。」と尋ねられた。私が「私で す。」と答えると、彼は「私、私。」と言われた。彼はこ の言い方を嫌われているようであった。
    (アル=ブハーリーによる伝承)

※注−人に「誰ですか」と尋ねられたら自分の名前を名乗 らなければならない。
64 アブー・ムハンマド・アル=ハサン・イブン・アリー・イブン・アブー・ターリブによると、 私は預言者から、「疑わしいことは捨て置いて、疑いの ないことを取りなさい。真実は心を安らげ、虚偽は心を掻 き乱します。」と学んだ。
    (アッ=ティルミズィーによる伝承)

65 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「偽善者の印は三つあり ます。それは、話をすれば嘘をつき、約束をすればだまし、 信頼されれば裏切る、ということです。」
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承)

※注−偽善者とは、イスラームの信仰を口で表明しておき ながら、その教えに従わない者のことをいう。
66 アブドッラー・イブン・アムル・イブン・アル=アースによると、 アッラーの御使いは言われた。「人の内にあればその者 が完壁な偽善者となる四つの特徴があります。また、その 内の一つでもあれば、それを捨てるまでその者の内に偽善 の特徴が留まっていることになります。それは、信頼され れば裏切り、話をすれば嘘をつき、約束すれば欺き、議論 をすれば正道を逸脱する、ということです。」
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承。引用はアル=ブハーリーの伝える表現による)

67 アブー・サイード・アル=フドリーによると、私はアッラーの御使いが、「あなたがたのうち誰でも、 良くないことを目にした者は、それを自分の手で正しなさ い。それができなければ言葉で正しなさい。それもできな ければ心で正しなさい。それがもっとも弱い信仰というも のです。」と言われるのを聞いた。
    (ムスリムによる伝承)

68 アブー・マスウード・ウクバ・イブン・アムル・アル=アンサーリー・アル=バドリーによると、 アッラーの御使いは言われた。「善い行いを示唆する者 には、その善行を行った者と同等の報酬が与えられます。」
    (ムスリムによる伝承)

69 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「力強いとは、相手を倒 すことではありません。力強いとは、怒って当然という時 に心を自制する力を持っていることです。」
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承。引用はアル=ブハーリーの伝える表現による)

70 アブー・フライラによると、ある男が預言者に「助言をください。」と言うと、彼は 「怒らないことです。」と言われた。男は何度も問いを繰 り返したが、「怒らないことです。」と言われた。
    (アル=ブハーリーによる伝承)

71 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「陰口とは何か知ってい ますか。」人々が「アッラーとその御使い様が最もよく御 存じです。」と言うと、彼は「陰口とは、兄弟について、 彼の嫌うことを言うことです。」と答えられた。「私の言 うことが彼に当てはまることだったらどうですか。」とあ る者が言うと、「あなたの言うことが彼に当てはまること であれば、陰口を言ったことになります。当てはまらない ことであれば嘘をついたことになります。」と言われた。
    (ムスリムによる伝承)

※注−クルアーン第49章12節に、「無用な詮索をして はならない。また、互いに陰口をたたき合ってはならな い。兄弟の死肉を食べるのを誰が好もうか。」とあり、 イスラームでは陰口を禁じている。
72 イブン・ウマルによると、アッラーの御使いは、控えめな兄弟に対して説教をして いる、あるアンサールの傍らを通りかかった。そこで彼は 言われた。「彼をそのままにしておきなさい。控えめであ ることは、信仰の一部ですから。」
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承。引用はアル=ブハーリーの伝える表現による)

※注−預言者ムハンマドが、マッカでの迫害を逃れて信者 たちとともにマディーナに移住した際、彼らを援助した マディーナの信者たちをアンサールという。
73 アブー・ハムザ・アナス・イブン・マーリクによると、 預言者は言われた。「あなたがたの誰でも、自分自身に 望むことを兄弟に望むようにならない限り、信仰を持つと はいえません。」
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承。引用はアル=ブハーリーの伝える表現による)

74 イブン・ウマルによると、アッラーの御使いは言われた。「ムスリムはムスリムの 兄弟です。ムスリムを虐待してはなりません。見捨てては なりません。兄弟の必要を満たす者に対し、アッラーがそ の者の必要を満たして下さいます。ムスリムから苦悩を取 り除く者に対し、アッラーが審判の日の苦悩を一つ取り除 いて下さいます。ムスリムの罪を見逃してやる者に対し、 アッラーが審判の日に罪を見逃して下さいます。」
    (アル=ブハーリーとムスリムによる伝承。引用はアル=ブハーリーの伝える表現による)

75 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「互いに嫉妬し合っては なりません。値を吊り上げてはなりません。憎しみあって はなりません。背を向けあってはなりません。他人の取引 に横から割り込んではなりません。あなたがたはアッラー の僕として兄弟でありなさい。ムスリムはムスリムの兄弟 なのです。彼を虐げてはなりません。彼を見捨ててはなり ません。彼に嘘を言ってはなりません。彼を蔑んではなり ません。敬神の念はここにあるのです(と言って自身の胸 を三度指し示された)。自分の兄弟であるムスリムを軽蔑 することは、それだけで充分な悪事です。すべてのムスリ ムは、ムスリムの血も財産も名誉も犯してはなりません。」
    (ムスリムによる伝承)

76 アブー・フライラによると、アッラーの御使いは言われた。「イスラームの良い点は、 自分に関係のないことには立ち入らないことです。」
    (アッ=ティルミズィーによる伝承)

※注−ここでいうイスラームとは、人がイスラームの信仰 を持つことを意味しており、人が立派なムスリムとなる 条件の一つとして、他人のことに干渉しないことが挙げ られている。
77 アブー・マスウード・ウクバ・イブン・アムル・アル=アンサーリーによると、 アッラーの御使いは言われた。「人々が手にした初期の 預言の中に『恥ずかしいと思わないのならば好きなことを するがよい。』という言葉があります。」
    (アル=ブハーリーによる伝承)

※注−恥を持つということは、イスラームの信仰の一部で あり、信仰を持つ者は、信仰に恥じない行いをしなけれ ばならない。


日本ムスリム情報事務所